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いつものようにいつもの小屋に集い、お茶を飲みながらの世間話。
開け放った窓から入ってくる心地よい風に、午後は揃ってうたた寝。





ななみちゃんは自転車が大好き。
学校から戻るとお気に入りの自転車と一緒に川沿いの道を行ったり来たり。





雨上がりの午後。
さおちゃんとえいじくんは大好きなママと一緒に川沿いを散歩。






石木川のほとりでは5月末から代掻きがはじまる。
今夜の晩酌のためにも頑ばらば(笑)






田植え前。トラクターでの代掻き後、泥が高くなった箇所を人の手で均一にならしていく。
「機械はおとうさん、これはわたしの仕事。きつか作業だけど、美味しいお米ばつくるけんね」






WE LOVE KOBARU.
「ここがオレの故郷ばい」






「オイと同じで年期が入っとっばってん、まぁだまぁだ現役たい」






「おはよーございまーす」
朝の挨拶が川原地区に響く。
運動を兼ねて、孫たちと一緒に小学校までの道を歩く女性たち。
歩きながらの井戸端会議は笑い声が絶えないぐらい賑やかだ。






「オイの代で終わりにしたら先祖や未来の子どもたちに申し訳なか」
先祖代々にわたって受け継がれてきた田んぼや畑は、未来の子孫に手渡す「タスキ」のような存在ともいえる。






うららちゃんは普段、熊本に暮らしている。
それでも父親の故郷でもあり、祖父母が暮らしている川原(こうばる)地区が大好き。
小さい頃から遊びに来ているから、沢ガニを捕まえるのもお手のもの。






石木川のほとりにある川原地区は「ほたるの里」として知られ、地区の住民たちによる「ほたる祭り」が年に一度開催される。
祭りでは地元で採れた山菜や猪肉を使った手作りの郷土料理も販売され、祭り前にはそれら準備で大忙し。
この日は地区の女性たちが集まって、みんなが集う公民館を大掃除。






川原公民館を掃除する女性たち。大掃除中も冗談を言い合い、笑い声が絶えない。






フキを採りに集落近くの裏山へ。
採ったフキは煮物に加工し、他の山菜とあわせて「ほたる祭り」で販売。
素朴な味わいだけれど、いつも売り切れてしまうほど人気がある。






川原地区のおばあさんたちはいつもの小屋に集い、麦わらで「ほたるカゴ」つくり。
編み終わったカゴはリボンの装飾がなされ、ほたる祭りで販売される。
完全手作りの真心がこもった「ほたるカゴ」は、ひとつ200円。






ほたる祭り当日は、午前中から大忙し。
公民館に集まって餅をつき、山菜の煮染め、炊き込みご飯などを手際よく料理し、できたものから次々とパック詰め。






地元で採れた山菜などを使った炊き込みご飯も、ほたる祭りに欠かせない料理のひとつ。






子どもたちも率先してお手伝い。
小さい頃から祭りの準備を見てきているから、子どもでも大人顔負けの一人前。






お祭りで販売するお汁粉を用意するすみこさん。
「今年もまた美味しかぁー(笑)」






蒸かしたジャガイモと薄力粉をこねて作った生地でこしあんを包み、油で揚げたら「ほたる団子」の出来上がり。
ほたる団子は祭りの一番人気だとか。






「お父さんが獲ってきた猪肉も人気があるとたいね」






猪のバラ肉を煮込んで柔らかくした後、焼肉のタレで炒め直し、隠し味にはマーマレード。
ホロホロと口のなかで溶けていく猪肉に臭みはなく、絶品の味わい。
ほたる祭では完売するほどの人気。






煮物の詰め合わせが完成。






ほたる祭り当日の夕方。住民や親戚、支援者が総出で作った料理が完成。
仕込みや準備が終わり、公民館を掃除したら、いよいよ祭りのはじまり。






日が沈み、仮設テントの照明が灯された。
小雨が降る生憎の天気ではあったが、今年も川原地区主催の「ほたる祭り」が開催された。






会場では太鼓や歌の演奏もあり、賑やかな雰囲気に包まれていた。






子どもたちも半被をまとい、金魚すくいの店番を担当。






今年も無数のホタルが石木川に現れ、森が波打つように輝いた。






メスのゲンジボタルは草木に止まり、宙を舞うオスのホタルを待つ。






日没後、川原地区に暮らす子どもたちと蛍を見に出かけた。
河原に腰かけて川の上を飛び交う蛍を眺めていると「まるで流れ星のごたるね」と、子どもたちがつぶやいた。
それならば「願い事をしよう」と、光る蛍に願いを込めた。






川原地区に暮らす住民が立てた看板のまわりを蛍が飛んでいた。
石木川流域も他の地域と同じく、過去には強い農薬の影響で蛍が激減したこともあった。
しかし低農薬が普及してからは徐々に生息数が回復し、今では町外からも蛍鑑賞に来るほど無数の蛍が乱舞する地域となった。






川原地区には3世代が同居する家庭も少なくない。
孫と蛍を鑑賞していたチエコさんもそのなかのひとりで、蛍が飛ぶのを毎年楽しみにしている。
「嫁に来たときからいつも頭にダムのことがあるとたい。必要なかのに、なして犠牲にならんといけんのか。一日も早く中止になって孫たちとこれまで以上に楽しく暮らし、こん環境ばいつまでも残したかね」

県が計画する石木ダムの予定地にはチエコさんをはじめとする13世帯の方々が暮らしており、どこにでもある普通の営みを日々過ごしている。
唯一他の地域と違うのは、ダム計画に対して常に抗議の声を上げ続けなければ、先祖代々の土地を強制収用されてしまう恐れがあることだ。






ほたる祭りの翌日。川原地区では田植えが始まり、にぎやかな笑い声が田んぼに響いた。






石木川が流れる谷に沿って心地よい風が吹き抜けていった。






さおちゃんとえいじ君に妹が誕生したと聞き、産まれたばかりのなつきちゃんにご挨拶。
ほとりに暮らす住民がひとり増えました。






長崎県川棚町。満天の星が瞬く夜空。いくつもの星が虚空蔵山の上を流れていった。






沢ガニと清流。






夏になると長崎県川棚町を流れる石木川に"川ガキ"たちが集う。
橋からの飛び込み遊びはちょっぴり勇気が必要だけど、足を踏み出すスリルと爽快感がたまらない。
セミの鳴き声に負けないくらい響き渡る笑い声。






石木川の流れに浮き輪を浮かべ、のんびり漂う夏の午後。






石木川が流れる川原地区では、夏になるたびにセミの鳴き声と同じくらい騒々しい子どもたちの歓声が高らかに響き渡る。






この先もずっと子どもたちの笑い声が響き渡る場所であって欲しい。心からそう思います。






石木川のほとりでは今年も稲刈りがはじまっています。低農薬栽培で育てた稲をバインダーで刈り取り、ささがけの天日干し。今年はまずまずの収穫だとか。






"その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし"…という某風の谷の言い伝えを思い出してしまいました。







風の谷のあの人もこんな風に育ったのかもしれないね。







家族揃っての稲刈り作業中、母娘の笑い声が棚田に響いた。